私の子どもの頃の記憶はいつも独りぼっちのことばかりです。雨の日の記憶・・。色々なことが思い出されますが,どうも,心が濡れすぎていてうまくかけません。
でも,あの頃,何故あんなに永い間雨垂れを見続けていられたのか。何故トタンを打つ雨音をあんなにも愛おしく感じられたのか。考えるよりも,できるなら,もう一度あの甘い時間を舐めてみたいと願う。
「かさ」という絵本があります。昭和50年に発行されたもののようです。一度図書館で借りてきて,忘れられず,とうとう買いました。
赤い傘をさした女の子が,お父さんの傘を持って,駅までお迎えに行くというストーリーですが,台詞はありません。白黒です。色が付いているのは女の子の傘の赤だけです。なぜか泣けてきてしまうのです。全編に渡るデザインに昭和の匂いがする,とてもいい絵本です。何度見ても飽きることはありません。
