昭和の時代に万能薬だと信じていたものの一つが赤チン。擦り傷は日常だったあの頃,膝小僧には,いつもまぁるく日の丸のように赤チンが着いていたような虚ろな記憶さえある。
それに比べて,子どもたちはヨーチンを恐れていた。ヨーチンは赤チンの何倍も染みるのである。塗ったあとすぐにフーフーと息を吐きかけ,うちわで煽がないと堪えられなかった。だから,みんな赤チンが好きだった。
赤チンの正式名称はマーキュロクロム液という。赤チンは昭和48年ごろ,製造工程で発生する水銀の問題から発売中止になったが,現在は海外で製造した原料を輸入して販売されている。

